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悪性骨腫瘍 悪性骨腫瘍(ユーイング肉腫)の標準治療

悪性骨腫瘍の概要

悪性骨腫瘍

悪性骨腫瘍は骨から発生する「原発性悪性骨腫瘍」と、肺がんや乳がん、前立腺がんなど様々な原発がんが骨に転移した「転移性骨腫瘍」の2種類に大きく分類されます。

肺や胃、腸などの上皮組織のがんに対し、間葉系組織由来の骨(手足の骨や骨盤、背骨など)から発生した腫瘍を「原発性悪性骨腫瘍」と呼び、様々な種類があります。

転移性骨腫瘍は基本的に原発がんの治療方法に従って治療がおこなわれますので、この章では原発性悪性骨腫瘍について解説します。

 

 

●悪性腫瘍の種類

骨肉腫 骨肉腫は、腫瘍細胞そのものが骨を形成する原発性悪性骨腫瘍です。

手術
抗がん剤治療
軟骨肉腫 軟骨肉腫は、良性の骨軟骨腫や内軟骨腫から生じることもある原発性悪性骨腫瘍です。

手術
ユーイング肉腫 ユーイング肉腫は、腫瘍がどの細胞から生じたのかがまだ明らかになっていない悪性腫瘍です。 抗がん剤治療
放射線治療
手術
悪性線維性組織球腫 悪性線維性組織球腫は、発生原因がわかっておらず進展が速く肺などに転移することも多い、悪性度の高い腫瘍です。

手術
抗がん剤治
線維肉腫 線維肉腫は、コラーゲンを産生する線維芽細胞が悪性化した肉腫です。

手術
血管肉腫 血管肉腫は高齢者の前頭部から前額部皮膚によく発生する肉腫です。 放射線治療
インターロイキン2
抗がん剤治療

 

悪性骨腫瘍の症状

悪性骨腫瘍の症状には、腫瘍が発生した場所の痛みや腫れ、運動時の痛みがあり、進行するとこれに安静時通も加わってきます。

急速に進展するユーイング肉腫では発熱などの全身症状を伴うことがありますが、ほとんどの骨腫瘍は全身症状はみられません。
また、大きくなるまで無症状で経過することも多く、腫瘍により脆くなった骨の骨折や、脊髄神経の圧迫による手足のしびれにより、ようやく発見される場合もあります。

悪性骨腫瘍の診断

悪性骨腫瘍の診断は、詳細な診察の後、画像検査、血液検査をし、さらに病変部の組織をとり検査する病理検査により診断が確定します。

 

ct・mri
病理検査

診察

症状の出現時期から症状の変化について、また過去にどのような病気にかかったことがあるかなどの問診からはじまり、視診、触診、患部の硬さや熱感、リンパ節の腫れや血管拡張の有無などを詳細に診察し、腫瘍の性格や状態についてある程度の見当をつけます。

画像検査

単純レントゲン検査を中心に、CTやMRIを併用して、腫瘍の大きさや肺などへの転移の有無を調べます。

血液検査

血算により貧血の有無や、炎症の程度などを検査します。

悪性骨腫瘍には、特徴的な腫瘍マーカーはありませんが、アルカリホスファターゼという骨が造られたり壊されたりするときに血中に出る酵素が、一部の悪性骨腫瘍の診断に役立つことがあります。

病理検査

診察、画像検査、血液検査によりある程度の診断が推測された後、腫瘍組織や細胞を一部取り顕微鏡で検査する病理検査により、最終的な診断をします。

 

悪性骨腫瘍のステージ(病期)

悪性骨腫瘍の病期分類には、国際患肢温存学会による Surgical Staging System と、UICC によるTNM病期分類が使用されています。

ステージ分類

1a期 組織学的に低悪性度の腫瘍が区画内に限局しているもの。転移はない。
1b期 組織学的に低悪性度の腫瘍が局所の区画外まで広がったもの。転移はない。
2a期 組織学的に高悪性度の腫瘍が区画内に限局しているもの。転移はない。
2b期 組織学的に高悪性度の腫瘍が区画外まで広がったもの。転移はない。
3期 遠隔転移を認めるもの。

 

TNM病期分類

1a期 腫瘍の最大径が8cm以下で、組織学的に低悪性度の腫瘍。転移はない。
1b期 腫瘍の最大径が8cmより大きく、組織学的に低悪性度の腫瘍。転移はない。
2a期 腫瘍の最大径が8cm以下で、組織学的に高悪性度の腫瘍。転移はない。
2b期 腫瘍の最大径が8cmより大きく、組織学的に高悪性度の腫瘍。転移はない。
3期 原発腫瘍と同じ骨の中に転移を認めるもの。
4a期 肺転移のあるもの。
4b期 リンパ節転移、あるいは肺以外の部位に転移を認めるもの。

 

悪性骨腫瘍の治療方法

悪性骨腫瘍の治療は、腫瘍の種類や性格により選択される治療法が異なりますが、外科手術、放射線治療、抗がん剤などの化学療法が主体となります。

 

広範切除術

外科手術

悪性骨腫瘍の外科手術は、腫瘍を完全に切除することを第一の目的とし、第二に切除した骨・関節・軟部組織の再建と機能回復を目的としておこなわれます。

悪性骨腫瘍の外科手術では、正常な組織で腫瘍を包み込むように切除する「広範切除術」が基本となっています。

腫瘍をかき出すような「掻爬術」による手術は、再発の確率が高く転移の危険性が増すためおこなわれません。

適切に計画通りに「広範切除術」がおこなわれた場合の局所再発率は10%以下であることが明らかになっています。

放射線治療

放射線を腫瘍にあて、腫瘍細胞を死滅させる局所治療です。

特にユーイング肉腫では効果の高い治療法として選択されますが、その他の悪性骨腫瘍では一般的に放射線の効果はあまり高くないため、術前や術後などに補助的におこなわれることがあります。

その他、脊椎や骨盤などの手術が難しい場所の腫瘍に対して外科手術の代わりにおこなわれることもあります。

抗がん剤治療

抗がん剤治療が有効な悪性骨腫瘍は、骨肉腫やユーイング肉腫などです。

軟骨肉腫や線維肉腫にはあまり抗がん剤の効果はありません。

悪性骨腫瘍の抗がん剤治療では、術前に腫瘍を縮小させ安全に手足の機能目的と、術後に目に見えな微小転移巣を撲滅する目的でおこなわれます。

 

悪性骨腫瘍でよく使用される抗がん剤

ドキソルビシン

名 称:アドリアシン
一般名:ドキソルビシン

抗がん性抗生物質のひとつで、がん細胞のDNA合成の阻止と、
がん細胞のDNAを切断して死滅させます。

 
メソトレキセート

名 称:メソトレキセート
一般名:メトトレキサート

代謝拮抗剤のひとつで、がん細胞内で、
DNAとRNAの合成を助ける酵素の働きを妨げ、がんの増殖を抑えます。

 
シスプラチン

名 称:シスプラチ
一般名:シスプラチ

プラチナ製剤の一つで、がん細胞のDNA鎖と結合し、
DNAの複製を阻止し死滅させます。

 
イホマイド

名 称:イホマイド
一般名:イホスファミド

シクロホスファミドに似た構造を持つアルキル化剤のひとつで、
体内で活性化されがん細胞のDNA合成を阻害します。

 
オンコビン

名 称:オンコビン
一般名:ビンクリスチン

植物アルカロイドのひとつで、細胞分裂の際に染色体を移す役目をする
微小管のはたらきを阻害することにより、がん細胞の分裂を阻害します。

 
コスメゲン

名 称:コスメゲン
一般名:アクチノマイシンD

抗がん性抗生物質のひとつで、DNAに結合してRNAの合成を抑制し、
がん細胞の増殖を阻止します。

 
エンドキサン

名 称:エンドキサン
一般名:シクロホスファミド

アルキル化剤のひとつで、DNA合成を阻害するほか
免疫抑制剤としても使われます。

 
ベプシド

名 称:ベプシド
一般名:エトポシド

植物アルカロイドのひとつで、DNAを切断した後、
トポイソメラーゼIIと複合体を形成し、DNAの再結合を阻害します。

 
ダカルバジン

名 称:ダカルバジン
一般名:ダカルバジン

アルキル化剤のひとつで、
がん細胞のDNAの複製を阻害するはたらきがあります。

 
イムネース、セロイク

名 称:イムネース、セロイク
一般名:インターロイキン2

生物学的応答調節剤で、T細胞の増殖を促進するとともにNK細胞のはたらきを高め、
がん細胞を攻撃するはたらきがあります。

 

ユーイング肉腫の概要

ユーイング肉腫

ユーイング肉腫は、腫瘍がどの細胞から生じたのかがまだ明らかになっていない悪性腫瘍で、痛みやはれが強く、また骨の外への進展が速いため肺などにも転移しやすく、5年生存率が10%〜40%の悪性度が高い骨腫瘍です。

20歳代までの発生が最も多く、大腿骨や上腕骨、骨盤、肋骨などに多く発生が見られます。。

ユーイング肉腫は化学療法や放射線治療の効果が高く、これらの治療にあわせて手術を組み合わせた治療がおこなわれます。

 

 

●ユーイング肉腫

ユーイング肉腫 ユーイング肉腫は、腫瘍がどの細胞から生じたのかがまだ明らかになっていない悪性腫瘍です。 抗がん剤治療
放射線治療
手術

 

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